2026年5月11日、BSNラジオの番組『四畳半スタジオ』に、オープンシステム新潟の建築家、伊藤純一さん(伊藤純一アトリエ)がゲスト出演されました。パーソナリティの遠藤麻理さんとの軽快なトークの中で語られたのは、今の家づくりが直面している危機と、それを乗り越えるための「逆転の発想」についてです。
「家を建てたいけれど、資材が高騰していて不安…」「最近よく聞くナフサショックって、家づくりにどう影響するの?」
そんな疑問をお持ちの方にとって、今回の放送は非常に価値のあるものでした。本レポートでは、放送のポイントを整理し、一級建築士である伊藤さんが提唱する「知恵のある家づくり」について深掘りしていきます。
1. 建築業界を襲う「ナフサショック」の正体と現場のリアル
番組の冒頭、話題は今まさに建築現場で起きている深刻な問題「ナフサショック」に及びました。
石油由来の資材が届かない?
イラン情勢などの国際情勢不安により、石油化学製品の原料となる「ナフサ」の供給や価格に影響が出ています。これが建築業界において「ナフサショック」と呼ばれ、大きな影を落としています。
伊藤さんによると、現代の家づくりには驚くほど多くの石油由来の資材が使われています。
- 断熱材: 冬暖かく夏涼しい家にするための要となる部材。
- 接着剤: フローリングや壁紙、構造材の接合など、あらゆる場所に使用。
- 塗料・プラスチック建材: 仕上げ材や設備機器など。
現場で起きている「工事のストップ」
伊藤さんの実際の現場でも、上棟(骨組みの完成)が終わったにもかかわらず、床の断熱材が入ってこないために工事が滞ってしまうという事態が起きているそうです。かつての「ウッドショック」では木材の価格高騰が問題となりましたが、今回のナフサショックは「モノ自体が入ってこない」という、より切実な状況を生んでいます。
2. 能の「歌い」で鍛えた腹からの発声と、家づくりの哲学
番組の中で遠藤麻理さんが驚かれていたのが、伊藤さんの「声の良さ」です。実は伊藤さんは趣味で能の「歌い」を嗜まれており、出演の前日も農学堂で発表会があったばかりとのこと。
「腹から声を出す」という能の発生法は、健康にも良く、長生きの秘訣とも言われます。この「芯の通った姿勢」は、伊藤さんの家づくりに対する哲学にも共通しています。流行に流されず、建物の本質を見つめる視点は、こうした伝統文化への造詣からも育まれているのかもしれません。
3. 建築家・伊藤純一が説く「石油がなかった時代の家づくり」
「資材がない、価格が高い」と嘆くばかりでは、家づくりは進みません。ここで伊藤さんは、建築家ならではの視点で、ひとつの問いを投げかけます。
「石油由来の建材がなかった昔は、どうやって家を建てていたんだろう?」
築100年の事務所に見る「自然の調湿・保温力」
伊藤さんの事務所は、実は築100年の「真蔵(まぐら)」を再生したものです。この建物には、当然ながら石油由来の断熱材などは一切使われていません。しかし、冬でも「寒々しい感じがしない」と伊藤さんは言います。
その秘密は、以下の伝統的な要素にあります。
- 土壁: 厚い土の壁が温度を蓄え、湿度を調整します。
- 杉の無垢材: 床や壁、柱に使われている杉の木が、自然の保温効果を発揮します。
- 木のぬくもり: 前の日の暖かさを木が保熱し、朝事務所に来たときも「ぬくぬく」とした感覚があるそうです。
「昔の人は、無いなりに工夫して、心地よい空間を作っていたんですよね」と語る伊藤さんの言葉には、現代の私たちが忘れてしまった「自然と共生する設計」の重要性が込められています。
太陽の動きをデザインする「パッシブな知恵」
日本の古い家屋には、エアコンなどの機械に頼らずに快適に過ごすためのデザインが組み込まれていました。
- 深い軒(のき): 夏の高い位置にある太陽光を遮り、室内が暑くなるのを防ぎます。
- 縁側(えんがわ): 冬の低い太陽光を部屋の奥まで取り込み、ポカポカとした暖かさを生み出します。
このような、太陽の光や風といった自然エネルギーを最大限に活用する手法は、現代建築では「パッシブデザイン」と呼ばれ注目されていますが、実は日本の伝統建築には当たり前に備わっていた知恵なのです。
4. 「接着剤」に頼りすぎる現代建築の落とし穴
番組後半、伊藤さんは「接着剤」を例に、現代の効率優先の家づくりに潜む問題点を指摘しました。
「接着剤まみれ」でゴミになってしまう良質な材
あるリフォーム現場で、伊藤さんは非常に質の良い「無垢の床材」に出会いました。再利用しようと解体を試みましたが、結果は散々だったそうです。「接着剤でびっちり固められていて、剥がそうとするとボロボロになる。せっかくのいい材料なのに、接着剤のせいで再利用できず、ただのゴミになってしまったんです」。
なぜ接着剤を多用するのか?
かつての大工さんは、木を組む技術によって接着剤なしで家を建てていました。しかし現代では、床鳴り(歩くとギシギシ音がすること)などのクレームを恐れるあまり、過剰に接着剤で固めてしまう傾向があります。
これに対し、伊藤さんは「施主様への説明と納得」が大切だと説きます。 「木は生きているから、動くこともある。音が鳴ることもある。それをあらかじめ説明し、もし鳴ったら直せばいい。クレームが怖いからといって、将来の再利用を不可能にするほど接着剤を使うのはどうなのか」。
この考え方は、まさに「100年先を見据えた家づくり」を目指す建築家ならではの倫理観と言えるでしょう。
5. ナフサショックを「家づくりの本質」を見直すきっかけに
伊藤さんは、今回のナフサショックを単なる不運や停滞と捉えるのではなく、「家づくりの技術や素材を根底から見直すチャンス」にすべきだと語ります。
- 石油由来の建材を使えば、確かに効率は上がり、安価に一定の性能を確保できるかもしれません。
- しかし、それが手に入らない今こそ、古い建物にある「知恵」や「技術」に目を向けるべきです。
- 今のライフスタイルに合わせつつ、古いものの良さを上手に取り入れていく。
「なかったら、どうすればできるだろう?」と考えることで、より健康的で、環境に優しく、そして愛着の持てる家づくりの答えが見えてくるはずです。
6. オープンシステム新潟が提供する「透明性の高い家づくり」
番組の締めくくりには、伊藤さんも所属する「オープンシステム新潟」の活動についても紹介されました。
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オープンシステム新潟では、建築家と建主が直接契約を結び、各専門業者に直接発注する「分離発注方式」を採用しています。これにより、中間マージンをカットし、どの作業にいくらかかっているのかを透明化することができます。
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個性豊かな建築家との出会い
番組内でパーソナリティの遠藤さんも触れていましたが、オープンシステム新潟には、伊藤さんのように「こだわりが強く、自らの哲学を語れる建築家」が多数在籍しています。
家づくりは、単なる箱作りではありません。誰と、どのような想いで建てるかが、その後の人生の質を左右します。伊藤さんのように、伝統を重んじながらも柔軟な発想を持つ建築家との対話は、あなたの家づくりをより豊かなものにしてくれるでしょう。
まとめ:「建築家・伊藤純一」の魅力
今回のラジオ出演を通じて、改めて伊藤さんの「木」や「伝統」、そして「住まう人」に対する深い愛情を感じました。
現代の便利な建材を全否定するのではなく、「もしそれがなかったら?」という思考実験を絶やさないこと。それは、私たちがこれからの不安定な時代を生き抜くための、大きなヒントになります。
伊藤さんの事務所(築100年の蔵)を訪ねてみると、その「ぬくぬく」とした心地よさを実際に体感できるはずです。また、伊藤さんが得意とする自然素材を活かした設計は、ナフサショックのような外部要因に左右されにくい、強くて優しい家づくりに直結しています。
「自分たちの家も、100年後に誰かが『いい材料だね、まだ使えるね』と言ってくれるような、価値あるものにしたい」
そう思われた方は、ぜひ一度、オープンシステム新潟にご相談ください。伊藤さんをはじめ、経験豊富な建築家たちが、あなたの想いを「知恵」と「技術」で形にするお手伝いをいたします。
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